「私のおばあちゃんが母のために贈り、着た振袖、そして継いで私も着た振袖を娘に着せたいのです」
お客様からの、おばあちゃまの愛情を大切な娘へ繋ぎたいという思う気持ちを
私たち十文字屋呉服店は受け止めます
三代に渡るので、かれこれ50年前の着物です
やはり、変色、シミ等が目立ちます
でも、微妙な水色地、和色で藍白(あいじろ)と言いますか
そんな地色に和色でつつじ色という濃いピンク一色で菊や亀甲文様が描かれた素晴らしい古典柄
どうしても蘇らせたい!
気持ちを繋げたい!
着物、呉服の世界には「悉皆」(しっかい)という特有の言葉があります
着物のお手入れ(洗い、染み抜き、仕立て、お直し等)全般を指し
悉皆によって着物を再生、蘇らせるのです
着物は長ーーーーく着てこそ価値が出てきます
悉皆の中で「洗い張り」というものがあります
まさに古くなった着物を蘇らせることができます
着物の縫い糸を全て解き、それを簡単に縫い合わせると
もとの反物に形に戻ります
まず、その事自体が驚きですよね
その反物を綺麗に洗い、汚れを落とし、するととても発色が良くなります
大胆なシミは落ちない事もありますので、しみ抜き加工をする事もあります
それを、あらためて仕立て直します
裏地は新しい物に取り替える事が多いです
悉皆職人さんたちがそんな工程を分業で行い、大切な着物がまたこの世に花開きます
前撮りの後、洗い張りによって美しく蘇った振袖を着て店にいらして下さいました
綺麗なお母さまと、とても嬉しそうな笑顔です
帯揚げや髪飾りなど小物はお嬢様に合わせて新たに追加
とっても初々しい美しさがキラキラ輝いていました
お母さまからこんな嬉しいコメントを頂きました
「この度は、本当に十文字屋さんのお陰で、こんな素晴らしい振袖の思い出ができました。
きもの、日本文化、昔からの伝統的な物の素晴らしさに改めて感動しました。
来年の成人式も、おばあちゃんは天国から、お母さん、そして娘、もちろん私も愛と幸せを感じる素敵な日になりそうです。
ありがとうございます。」
誰かを大切に思う気持ちが「きもの」には込められていると思っております
お母さまの着物、おばあさまの着物をもう一度蘇らせて、袖を通しませんか
今月(11月)までにお預かりできますと
年明け成人式までになんとか間に合わせる事ができます!!
どうぞ、お早めにご準備下さい
おばあちゃまが着た振袖を着たいのです『洗い張り』
2016.11.22