モデルとしてテレビやCMで出演し、国連WFP日本大使としても活動するなど
多方面で活躍している、沖縄県出身の知花くららさんが昨年ご結婚されました。
くららさんには、人生初の着物を当店でご購入下さって以来、ご懇意にして頂きとてもとても感謝の気持ちで一杯です。
結婚を報告されたインスタグラムで着ていらした着物は、当店で誂えて頂いた城間栄順さんの紅型の訪問着でした。
そして、ファッション雑誌でその着物を着ていらっしゃいました。
文中に出てくる『地元の呉服屋』は当店のことです!
『女将さん』は、もちろんうちの会長であり、実は社長でもあります。
社長が何度も城間工房に足を運び、話を詰め、こんな素敵なお着物が出来上がりました。
『Marisol(マリソル)』 12月号
「着物でどこ行く?」 vol.23
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とっておきの着物で、「貴賓館」へ
ハレの日に纏いたい、愛がこもった大切な1枚
五年ほど前、ある番組で沖縄の紅型を取材したときのこと。
ふと目にとまったのは、小さな魚が楽しそうに泳ぐ柄。
釣りをこよなく愛している十五代城間栄順さんの作品だという。
貝がら、揺れる海藻、小物たち。
海の中の生き物たちへの愛が溢れていて優しくて。
ひとめで恋に落ちた。”いつか城間さんに染めて頂きたい!”
そんな気持ちが、むくむく。栄順さんは重要無形文化財保持者で、
作品を持っているお客様もたくさんいる。
相当のお値段もするに違いない。
けれどやっぱり、城間さんのお魚がたくさん描かれた沖縄の海を、いつか纏ってみたかった。
それからは雑誌の撮影やテレビの収録、短歌の取材、
プライベートでもできるだけ着物を着るように。
母の伝手で地元の呉服屋にも度々顔を出して
”いつか、城間さんのお着物を着たい!”とつぶやき作戦。
もしかして、それがお耳に入れば、
いつか、世界にたった一枚を染めて頂けるかしらって。
三年ほど経ったある日、呉服店の女将さんから連絡が。
城間さんとお話して下さったらしく、お忙しい日々にも関わらず、
制作をお引き受け下さるとのこと!どんなものをお願いしようかと、
城間さんの作品が載った図鑑を見直していると、
何度も同じページで手がとまって。
それは暖簾の作品で、大胆な構図の藍色の波が、かっこいい。
”でも、着物じゃないから無理かなあ…”と思っていたとき、女将さんから、
「工房のほうからね、この感じがくららさんには似合うんじゃないかって」
と、なんとあの暖簾作品が写真で送られてきた。
あんなに興奮した瞬間って、人生で他にない。
それから一年ほど待って着物が完成。
実は、一度染めた段階で”くららさんにはちょっとイメージが違う”と染め直して下さったとのこと。
そのお気持ちだけで、もう心があったかい。
人生の大切な日、私はこの訪問着を着る。
愛がつまった一張羅は、私の宝物。纏うたびに誇らしい。
城間さんを始め、工房のみなさん、女将さんたちへの感謝と、
これからも私の故郷であり続ける沖縄への愛を込めて。
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城間工房の皆さんありがとうございます (^^)
人生の大切な日に、この紅型訪問着を着て下さったくららさんありがとうございます (^^)